深層心理に入る

階段を下ると、何もない真っ暗な空間が広がっている、何もないという暗い闇、何もない何も起こらないということに不安や焦りが沸き起こる、がそれでも何もない、しばらくすると、突然ざわざわとした感覚がする。気がつくと自分が鳥になっていることに気がつく、胸の羽と手の先に広がる羽の感覚がリアルに伝わって来る、くちばしを地面に突き、地中の生き物を探しているのか、湿った湿地の草むらを荒々しく頭を動かしている他の鳥たちと共に。

私は鳥であり、しかし、私が私であることも知っている、そこで、ふと私がどこで何をしているのか見てみたい、そう思い、飛立つことにした、山と丘を越えるとそこには海があった、一面に広がる海。しばらく何もない海の上を高く飛んでいると、とおくで何か見えた、小さな船、近づいていくと、そこに男の存在がある、あれは自分だという確信が上空から小さく見える男を見ながら感じた、広い海をただ一人進む孤独な男。

4年後のある日

浜で製作された大きなアートワークの中を子供たちと散歩している時、ふとあの時自分が乗っていた船はいったいどんな船だったのかと描いてみたくなった。四角、いや旗のように見えたものがあった、いや、それはもっと細長い形が旗のように見えたのでは、あの時見たものがそこに現れた、それはまるでサーフボードのような、細長い形をしていた。

「僕はあそこでサーフボードに乗っていた」 ものすごい衝撃が走った、なぜなら、いま僕のスタジオにサーフボードが置いてあるからだ。

つきまとう船の感覚

地元のビルダーでサーファーのオラフは僕の友人であり、サーフィンの先生であり、同じ学校に子供を通わせる父であり、仕事を共にする仲間、彼が、ある時、お前のピースをボードに使いたいと話を持ちかけてきました、ぜひやりたい、そう思ったのは、彼のボードで海に入った時、それが船を思わせたから、木を組んでつくられる船、波にのってすべてとひとつになっていく、その感覚でかれのボードは本質的に船として認識した。

処女作

すでにそこにあったもの、空にはばたいた一匹の鳥は、自分の存在を確認するため海を渡り、そこで一人の男を見つけるストーリー、時間の流れを超越したこの体験を凝縮したイメージをつくりたい、大きなボードに直接線を書き込んでいく中で、象徴化されたそれぞれのひとつになったピースが出来上がった、オラフとのコラボレーション。

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